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2021.03.02

病院で小さな春を見つけました。

 

ひな人形の由来を、皆さんはご存じでしょうか?
雛祭りのルーツは、中国渡来の「上巳(じょうし)」の節句だそうです。
中国では3月3日に、水辺にて身を清め、穢れ(けがれ)を払う習慣がありました。
これが日本に渡り、3月3日には穢れ払いの儀式が行われるようになったそうです。

奈良時代には紙でできた人形(ひとかた)が登場しました。
医療や衛生状態の未発達だった当時は、成人する前に命を落としてしまう子どもたちが今では考えられないくらい多かったために、親は「我が子が無事に成人するまで健康でいられますように…」と祈りを込めて、厄払いをしたそうです。
その延長としてお人形に厄払いや御守りの意味をこめて、今日のお雛様に繋がっているそうです。

平安時代、貴族の女の子たちの間で「雛遊び(ひいなあそび)」が流行しました。
宮中の暮らしをそのまま小さく表現したままごと遊びで、単なるままごと遊びと違うのは、人形が男女一対だということと、宮中の暮らしをまねっこした遊びだということです。

厄払いと雛遊び、上巳の節句が合体してできたのが今日の雛人形ですが、雛人形が宮中の結婚式を模した形になったのは、天皇、皇后のような幸せな結婚ができますようにという願いが込められているからだと言われています。

今回飾ったひな人形達の手前中央に鎮座しておられる「爺さん、婆さん」のお二方は、現代アート感覚による”高砂人形”だと思われます。

 

DSC08551

 

高砂人形は、共に白髪になるまで仲むつまじく添い遂げることを願って、結納などの夫婦和合と、還暦祝いや敬老の日など長寿の祝いに贈られる縁起物です。
夫婦仲良く「お前百(掃く)までわしゃ九十九まで(熊手)」とそれぞれの手に熊手と箒をもち、互いの長寿を願います。
お爺さんが持つ熊手は、福をかき集め、お婆さんが持つ箒(ほうき)は、厄を祓い、寿福を抱くという意味があるそうです。(が、この人形は現代アートなのか、熊手や箒は割愛されている模様です。)

コロナ禍で楽しい話題が少ない中、こういった小さな春を見つけると、患者さまをはじめ職員の心も和みました。

参考文献:Web:鯉のぼり・さつき人形専門店ぷりふあホームページ
参考文献:Web:人形工房吉貞ホームぺージ

総務 N